”某”信金の常識、世間の非常識

この事業は、平成5年から参画している。

当初は都市公団(現都市機構)からの委託で数年間、その後は地元商業者からの委託で。
都市機構の組織改編等の影響を受けながら紆余曲折があり、ピーコックとの取り合いから敷地が決まったのが、平成19年春

ここから、やっとスタートである

施設計画の策定、資金計画の検証・修正、組合員の店舗の位置決め(配置調整)、仮設店舗の計画・調整・建設・移転・オープン・・・・・

本設の基本計画が固まったのが20年夏、やっと現実的な資金需要が見えて来た。
この頃から、頻繁に商工中金さんと打合せを行い、実質的な事業計画を組み上げる。

余談であるが、資金計画については電卓片手に30年以上も前からやっているし、いくつものショッピングセンターの事業計画を作り、大したトラブルもなく融資頂いて、すべてオープンさせている。
昭和55年にオープンしたサンコア(宮城県)では、徹夜で電卓をたたいて20年の収支計画を3パターンもつくり、通産局(当時)の推薦を貰い、北海道東北開発公庫(現日本政策投資銀行)の融資を得られた。パソコンのない時代のことであり、いまや懐かしい話であるが。

その後、NECのPC8001がでて、自腹でこれを買って、BASICでプログラムを書いた。
おかげで、シュミレーションが簡単にできるようになって随分助かった。

当時、周りで、プリントアウトしたシミュレーションは、銀行の不細工なラインプリンターで打ち出したもの、それもたまに、しか見たことがないので、我々の業界でPCを使った第1号は私ではなかったのかなと思うが、さて・・

思い出話はこれくらいにして、
いままで、いくつもの金融機関とお付き合いして来て、どのような手順で打合せを重ねて行けば双方(事業者と金融機関:借りる方と貸す方)の納得できる事業計画が構築できるかは十分分かっているつもりである、いや、分かっているつもりであった。いままで、融資を断られて事業化できなかったプロジェクトはなかったので。
実際、商工中金さんはそのとおりに対応して頂き、こちらも対応して来た。

この信金にも、着工の半年も前に必要書類はすべて渡し、変更のあるたびに報告し、追加で要求される資料はすべて渡して来た。
実施設計図面まで。
通常は実施設計図書には防犯絡みの情報も入っているので、融資の審査段階で要求されたこともないし、出したこともない。 実際こんな書類、受け取った方も困るだろう。専門家でない限り中身も分からないだろう。

最初に会った時から、事前審査を早めに行ってもらって、協調融資なので「信金の融資枠を決めてくれ」とお願いして来た。
答えはいつも、「全額信金で・・・・・」であった。
信金は金利も高いので、結果を見てから相談すればいいか・・ぐらいに考えていたのだが

2月頃であったか、要求にはすべて応えて来たし、着工時期も近づいて来たので、いい加減に「融資枠を出してくれ」と言ったら、審査はケンカクが出てからだ等と言い出した。「ケンカク・・・・???」”懸隔”?、”剣客”???よく聞くと「建築確認申請」のことだ。

業界によって、いろいろな略し方があるもんだと感心するが、それでは事業が担保できないし、「協調で」と確認すると、「全額で」との答え

別の金融機関を当たろうと相談するが、ここまで言っているのだから、事前審査は終わっていて概ねの融資枠はあるはず、正式に回答できないだけだろう・・・・と、それが”世間”の常識だからと。

5月の末に「ケンカク」の済証をもらい、コピーを持ってこの信金を訪ねると、いつ金がいるのかと、上から目線で、8月の工事費の中間払いからと答える

6月も半ば頃から、資金計画の質問をはじめとして、ちょくちょく質問がくるようになった。
質問内容から”本当に理解しているのか?”とちょっと不安になるも、今更そんなことはないだろうと自ら不安を打ち消す。「本店の融資担当からの確認事項を流しているだけだろう」と
建築の基礎のコンクリート打ちも大分進んでいるし 、今更・・・・

いまから思えば、本当にこの時まで何にもやっていなかったんだと気がつく。
信じられないことだが、これが「信金の常識」なのだろう。挙げ句は「融資の約束をした訳ではない」と居直る。
システムが悪いのか、単に担当した支店が無能なだけだったのか。

間違いなく言えることは、「信金とはこんなレベルなんだ」と関係者みんなに思わせたことだ。

それから後が大変

理事長は、責任を一手に背負い、飯ものどを通らない日々を送ることに
その時に落ちた体重が未だに戻らないとか

ドタキャン

  もう、夏も終わりである。
今頃になると、2年前の暑かった夏を思い出す。

  2年前の8月5日、突然掛かってきた電話。
「融資ができないと言ってんだけど」理事長からの電話だった。
「何の話ですか?」と私。
地元の信用金庫から融資を受けられることで事業を進めて来た。ただ、この信金に対しては、多分に不安を抱いてはいた、が、まさか、ここまで工事が進んでからの「NO」はないだろうと高をくくっていた。

  工事は、5月27日に地鎮祭を済ませ、上棟式を3日後の8月8日に控えている。
地鎮祭には、当然、その信金からも支店長の代理のものが来賓として参列している。
上棟式が終わると、出来高払いの工事費の中間金の支払いである。着手金は自己資金で支払い、中間金から借入金で支払う予定であった。
  商工中金さんにはその1年前に協調融資で事業計画の承認も頂き、融資の承諾も頂いている。
その事業に対して、しかもこの時期になって”NO”である。

  話は更に1年遡る。
  このような事業では、借入を含めた事業計画が重要であり、とりわけ資金計画が最も重要である。商工中金さんにはそれ以前から融資の打診を行っており、平成20年夏から秋にかけて、幾度か融資相談を受け、施設計画もでき、概算工事費を算定し、事業計画のアドバイスも頂き、協調で融資頂ける約束を頂いた。あとは、協調先を決めるだけであった。

  政府系の機関か、せめて都銀にしたかったが、組合員のお世話になっているところで・・との意向もあり、この信金に話をすることになったが、内心は不安で一杯であった。
  今まで多くのプロジェクトに関わって来たが、信金がメインの事業はなかった。従って私自身が信金とおつき合いしたことがなく、対応の仕方が分からない。また、中小企業と個人向けの金融機関とのイメージが強く、もちろんこの事業は典型的な零細業者の事業であるが、このような生活再建を主目的にした再開発事業であり、公的助成を受け、協同組合施行の共同店舗化事業であるという、ある意味非常に公共性を持った事業である。しかし、この信金はそのことを本当に理解しているのか、共同店舗開発への融資実績や審査ノウハウなども不安材料の一つであった。

  理事長の話によれば、同信金だけで全額融資”する”、つまり、必要な資金はこの信金が全額面倒を見てくれる、との話であった。今時、話半分にしてもいい話である。
  資料を用意して、始めて訪問し、計画を説明したのが平成20年11月13日である。 その後、工事業者が決まったり、実施設計が完了したり、工程が確定したりするたびに訪問・説明を行って来た。もちろん、金利は信金向けに、3%に修正して。また、着工までには融資内定を出してくれとも、融資が決まらないと着工できないとも伝えて来た。
  私なりに、他の金融機関に対する以上の対応をして来たつもりである。

その結果がこれである。

  それまでに、余りにも対応がとろいので、他の金融機関にも相談してみようと何度か持ちかけたこともあったが、「信金がここまで言ってくれているんだから・・・」で、立ち消えに。
後悔先に立たず、である。

 

コリオの施設管理

(2)施設管理

  コリオの施設管理は簡単である。

  ゴミ処理と、共用部の清掃だけである。
あとは、定期、不定期の防虫防鼠や消防設備点検(消化器の設置をチェックする程度)くらいである。従って、共益費(共用管理費)は通常のショッピングセンターに比べると格段に安くなっている。

 先に述べたように、ここのコンセプトとして、商業施設としての効率を追求し、管理費のかからない施設を目指した。そのため、維持管理を必要とする機器をとことん排除した。
共用部はオープンにし空調設備がなく、平屋にしたためエレベーラーやエスカレーターの類がない。従って、これらにかかる電気代や設備の定期点検の費用がかからず、共益費の4割が電気代と言われているが、その電気がかかるものがほとんどなく、わずかな共用部の照明くらいになっている。
なお、駐車場に関しては、後述するが、昨年10月に管理設備を導入し、休憩所の喫煙所には今年3月、排煙設備を導入したが、これらの機器がちょっとだけ電気を使っている。

 震災以降、節電要求が強いが、ここまで絞り込んでいるので、節電する余地がなく困っている

通常のショッピンセンターの水道光熱費・事務費を除く管理費項目を挙げると、以下のようになる

①建物警備(常駐警備・機械警備)
②建物設備駐車場警備
③設備管理
④清掃管理(日常清掃、定期清掃、窓ガラス清掃、厨房排気壁面清掃)
⑤受変電設備管理
⑥特定建築物管理(管理技術者管理・環境測定)
⑦受水槽清掃
⑧飲料水水質検査
⑨簡易専用水道検査
⑩防除殺虫・殺鼠
⑪消防設備管理
⑫EV・ES保守点検
⑬自動ドア保守点検
⑭非常用発電機点検
⑮建築設備定期点検費・特殊建築物調査
⑯空調設備点検・フィルター清掃
⑰駐車場管制装置保守管理
⑱汚水雑排水管清掃
⑲植栽管理
⑳廃棄物処理 他

このうち、コリオでは、

コリオの緑化ブロック

①②は、各店の個別契約としており、③は管理する設備がない(駐車場除く)④は業者に委託して行っている ⑤直引き込みのため該当する設備がない ⑥ 該当しない⑦⑧⑨これらも直引き込みのため該当する設備がない ⑩定期的に行っている ⑪消化器の設置と消化剤の期限の確認程度である ⑫⑬⑭⑮⑯については該当設備等無し ⑰後述 ⑱共用としては管理していない ⑲水やりは清掃業者に、剪定等は適宜会社より業者に発注 ⑳業者に委託

の様な状態である

整理してみて、平屋・オープンモールが管理コスト低減にどれほど寄与しているか、改めて驚いたような次第である。

  余談であるが、オープンモールの駐車場はムーっとするような照り返しの暑さを想像する。
が、コリオの駐車場ではさほどの暑さを感じない。

緑化ブロックの威力に改めて感心している。

 

コリオのテナント管理

  さて、商業施設の管理運営については先に述べた通りであるが、ではコリオはどのように管理し、運営されているのか

(1)テナント管理

1) 売上げ管理

 コリオの管理はシンプルである。毎日の売上げ報告による売上げ管理を行っているだけである。
売上金の管理は行っていないし、まして、統一レジによる管理なども行っていない。

まず、統一レジによる売上げ管理では、この数の店舗では売上げ管理のために数百万円の投資を行う必然性がないし、データ管理のための要員を雇用するメリットも見いだせない。また、売上金預託についても銀行に毎月何万円もの賃料回収のための手数料を払うことのメリットよりもコストと事務量の増加のデメリットの方が多かったからである。

① 売上金の管理

 組合員については、相当額の出資金や建設協力金を預かっているため、法的にはともかく未収リスクはほとんどないし、売上げ歩合制もとっていないため、売上金を預かる必要はない。
テナントさんについては、高額な建設協力金は預かってないが、入金状況をチェックすることで、 敷金の範囲で、カバーできる。
むしろ、余計な管理コストをかけるよりも、手間を省き管理コストを下げることで賃料や共益費の低減を図って全員のメリットに繋げる方を優先した形となった。

 これは、この組織だからできたことであろう。
すなわち、実質、組合運営の施設であり、組合は儲ける必要はない。
組合員が儲けるために組合があり、同様の考えで会社もあるからである。
通常のデベッロッパー会社であればこのようにはいかない。

② 売上げ管理

 組合員やテナントさんに毎日の売上げ報告をしてもらって、売上げと買い上げ客数を把握している。インラインやらショッピングセンターシステムやらの管理方法ができる前のシステムを少しアレンジして行っている。
最初は、数字のごまかしや不正確さが心配であったが、全くの杞憂に終わった。
ごまかすメリットもないし、ごまかす手間暇を考えれば、正直に報告する方が時間も手間も省けるし、気持ちがいい。

 このデータは毎月集計され、メールで私のところに送られてくる。
この分析で、コリオの状態が一目で分かり、組合・会社の財務諸表と照らし合わせながら経営状態もチェックしたり、イベントの効果を数量的に捉えるの役立っている。
もちろん、不振テナントの発見や対応にも十分役立っている。
幸いなことに、現在のところ大事に至らずに済んでいる。
情けないのは、税理士からの情報が遅く、何度言っても直らない。プロ根性のない士と言うのは空約束ばかりで救いようがない。 約束は守るためにするものだと思うのだが。

2)営業管理

 組合員については、組合決定に従う。テナントについては会社との契約事項に従って規則を遵守させると言うのが建前である。

 実際には、店主会でほとんどの問題を取り上げ、必要に応じて注意や、通達を行っている。
はみ出し陳列や、生ゴミからでるヨゴレ等 どこにでもある問題であるが、繰り返し店主会と会社連名で通達を出して注意を促している。
今まで大きな問題は出ていないので助かっている。

 オープンしてから1年半、店も落ち着いてきて気も緩み始める頃である。休業日や閉店時間の足並みが乱れ始める時である。気を引き締めての対応が必要になって来るのかもしれない。

3)販促

 年間販促計画を立て、店主会役員会で企画、実行を基本としている。
販促費の負担は、1店舗あたり15,000円/月〜20,000円/月、後は寄付と枚方市の助成金で賄っている。

 販促は年間5回、春、夏、秋、創業祭、年末年始にそれぞれフェアーを行っている。このうち秋は枚方市商業連盟の商業祭協賛のセールとして行っている。

 フェアーはチラシ、装飾に何らかのプラザでのイベントを組み合わせて行っている。 昨年の創業祭ではイベントとして「よさこい踊り」のパーティを招いて行った。なかなかの人気でそれなりの集客効果はあったが、売上げへの効果と言う点では思った程の成果が上げられず、スプリンファエーでは現場の意見を反映した企画を建てることとし、急遽店長会を招集、意見交換を元にスプリングフェアを実施したところ、創業祭と比較してフェアー中の1日当売上げで109%、客数で115%と言う結果を出した。ちょうど東日本大震災の直後でもあり、買い控えの中でこれだけの効果は注目すべきことと言える。

 以降、極力店長会を開催し、販促企画に当たることにしている。

 なお、スプリングフェアーの反省会では、出席率100%とコリオ内部のまとまりも非常に良くなってきており、今後が期待できる

商業施設の管理運営(4)

(2)施設のリニューアル

1)リニューアルの目的

 リニューアルとは通常はハードウエア(建物、設備)の変更をいう。

 この目的は、再三言ってきたように、コンセプトの修正もしくは見直しにある。コンセプトがマーケットにあっているか否かを常にチェックし、ズレを修正するのが、「施設の運営」である。このズレが大きくなって微修正では対応できなくなったときにハードウエアの変更も含めて行うのが第1のリニューアルである。

  第2のリニューアルとは、老朽化に伴う設備更新。概ね15年ないし20年に1回の大改装である。リニューアルとは、通常、このことを指していた。設備更新に合わせて、コンセプトの大幅な見直しとテナントの移動、入れ替え、改装などを行い、イメージを一新する。

  第3のリニューアルとは、新たな競合店の出現に対して行う、いわば先制攻撃である。先行のメリットを生かし、話題を提供して、顧客の囲い込みを行い、競合店への流出を防ぐためである。

いずれのリニューアルも集客力の回復と売上増を目的として行う。

2) リニューアルの進め方

 ①方針決定

 リニューアルを行うことが決定されれば、諸設備の更新時期等も考慮し、最適な時期、範囲を決定する。
そして、ターゲット、業態・テナント構成、施設ハードイメージ(テーマ設定・動線の考え方など)を検討し、リニューアルの方向性を確認、リニューアルコンセプトを確立する。

②実施計画

 これらの方向性が確定した段階で、テナントへの対応方針を決め、実施計画を作る。

【対応方針】

・新規入店条件
リニューアル後の入店条件である。保証金、賃料、共益費、契約期間他。テナントにはこの時点では大雑把な話をしておく。
・移転補償等
退店や移転の際に会社より補償費的なものを出すか、否か。また、入居条件の緩和等、代替え的なインセンティブを与えるか否か等。
・テナント別誘導方針
テナント別に移動、業態変更、退店等どのように誘導を行ってゆくかの方針を立てておく。
・その他必要な事項

【実施計画策定】

・テナント構成計画・配置計画・リーシング計画
・既存テナント誘導計画・施設計画(施設ゾーニング、SI.VI計画・施設デザインなど)
・事業計画(資金計画・推進スケジュールなど)
・管理運営計画(テナント入居条件の整理・販促計画など)
・大店立地法対応

などである。

 計画が決まれば、後は工事実施に向けて、テナントへの説明、配置調整、移転、工事実施、と進んで行く。

リニューアルの流れに着いてはこちらのページを参照されたし

商業施設の管理運営(3)

1) 計画的なテナントの入れ替え

店舗は商品によって客に訴える。施設はテナントによってお客を呼ぶ。商品が、鮮度を失うと、客が離れるように、施設も鮮度を失うとお客は離れて行く。いずれも鮮度管理が重要である。

 テナントの入れ替えは次の3つの観点から見る必要がある。

①コンセプトのズレの修正

  いくら良くできたコンセプトでも必ずどこかに歪みがでる。これの修正を常に行って行く必要がある。まずは、商品構成の変更、それが無理ならテナントの入れ替えとなる。なお、コンセプトからズレていても、よく売る店がある。一番悩ましい問題である。売れると言うことは、マーケットにあっていることに他ならず、場合によっては施設のコンセプト自体の部分修正も必要になろう。

②不振店対策

  要は売れない店をどうするかである。施設のコンセプトからはずれた店はたいがいここに行き着く。これが表面化しない内に対応することが重要。そのためには、いかに早く不振店を見つけるかである。

③話題づくり

  表題のとおりである。地域初出店の店は必ず出店させる位の意気込みが必要。

 そのためには、常にアンテナを張って、初物(日本初、地域初、支店1号、新業態1号店・・・等)を、いかに捕まえてくるか。旬のテナント(話題に上るテナント)をいかに誘致できるか。日頃の心がけである。
これを実現するためには、常に旬のテナントを探し、入れ替えをシステム化しなければならない。「うかうかしていると、退場カードを出される。しっかり売らなければ」とテナントに思われるようになれば成功である。

2)積極的な投資

常に投資を続けること

①  設備への投資

お客様へ不快感を与えるような商業施設はもってのほかである。建物や設備のメンテナンスは、滞りなく行うのは基本中の基本。お金をかけることではない。こまめに、小修繕を行い、時にはイメージが陳腐化しないように、サインやファサードに手を入れる。必要に応じて大規模なリニューアルを行う。まずは、見た目である。

②テナントへの投資

 会社にとってのお客様である。店長研修などの必要な投資はどんどん行わねばならないが、テナント教育とかテナント指導などとおこがましい事は言わない方がよい。相手はプロである。きっちりしたコンセプトを示すことが管理者である会社の仕事であって、示されたコンセプトに合う商品を集め、それにあった売り方をするのがプロの店である。それができなければ、ここには不要のテナントである。

 また、よくSC等で従業員教育をやっているがよほど大きなSCでないと効果は期待できない。業種が異なれば、企業規模も異なるテナントを一同に集めるやり方は見直す必要があろう。むしろ、店長や店のオーナーに普段接することのできない情報や環境を体験させる場を作ることの方が重要で、そのような機会を提供することが管理者の仕事である。

③人への投資

 会社の営業スタッフへは積極的に投資し、施設運営のプロを育てる。

研修の機会を多く設け、新しい情報を得させ、新しい施設を体験させる。特に話題の施設は必ず見させる。海外にも頻繁に行かせ、情報の取得と新テナントの発掘に当たらせる。テナントの方が海外情報に詳しいようでは、施設をリードして行けない。

 3)組織のスリム化

 外注できるものはとことん外注し、組織をスリムにする。設備管理は、今でもほとんどの施設は外注しているが、これを徹底する。事務管理においても、極力外注する。また、コストのかかる管理は極力行わない。事務管理の中にクレジットの請求事務がある。今は手数料収入が見込めるが、いずれ,ICカードやデビットカードに移ってゆくだろう。後は人件費の負担が残るだけ、という結果にもなりかねない。こうしたものはコンピューターに任せるなり、外部化するなりして、余計な業務や人員を抱えない。こうして生まれた資金と人員を、テナント管理と、再投資の原資に当てる。テナント管理は、今まで述べてきたように施設運営の生命線である。このスタッフを充実させることがもっとも重要である。なお、外部化した業務については、これらをコーディネートできるスタッフを、育てることは言うまでもない。

商業施設の管理運営(2)

2.商業施設の管理運営

 商業施設の管理運営とは、「施設の資産価値を維持し高めること」である。

 今までの商業施設は、造ればそれなりに売れていた。開発に重点が置かれ、しっかりしたコンセプトで有名テナントを入れれば、未来永劫に繁栄すると思われてきた。
  しかし、そうでなかったことは時代が証明した。商業施設は開店した日から陳腐化が始まっているのである。これを、時代に合わせ、消費をリードしてゆける商業施設にしてゆくことが、「商業施設の管理運営」である。
  幸いなことに、定期借家が法制化され、今までのように不良テナントの追い出しに苦労することもなくなった。計画的に、テナントの入れ替えができるようになったのである。余談であるがこの定期借家契約は、商業施設に革命的な変革をもたらすものと期待している。

(1)施設の価値を高めるための管理運営

「商業施設はオープンしたときから陳腐化が始まっている」

このことを常に念頭において、施設の運営を考えることである。常に施設に手を入れて陳腐化を防ぐことが商業施設の管理運営である。換言すれば、施設が、いつも「旬」であることである。

このためには、

 

1)計画的なテナントの入れ替え

2)積極的な投資

3)組織のスリム化

 

を、常に意識し、実行してゆくことである。

 

商業施設の管理運営(1)

  以前、経産省の「大型閉鎖店舗再生等対策のための総合プロデュース人材育成事業」という事業の講座で商業施設の管理運営について話す機会を頂いた。受講生の方は皆専門家の方ばかりで、冷や汗ものだったが、概ね好評だったのではないかと自分では勝手に思っている。

  特に、継続的なテナント評価と積極的な不振店の入れ替えを提案した時は、「空き床の補充だけでも必死なのにそんなことなんかとても無理」と言う意見が大半を占めていたが、今ではごく当たり前のことのように実践されている。口では無理とか言いながら、必要性を認めて頂き色々検討して頂いた結果かと思っている。

  講座自体は2003年5月から7月にかけて東京・大阪・博多で行ったものであるが、今読んでも特に古さも感じないので、コリオの管理を語る際の参考に、また、私の管理に関する考え方を知ってもらう意味でもこの講座での内容を再掲する。
これを読まれて、さらに新しい知見等があれば、ご意見、ご教授頂ければ幸いである。

1.管理会社の業務

 一般的な商業施設の管理業務については、テキストに述べられているとおりである。
以下に、今まで多くの商業施設で採られてきた管理会社の業務を要約する。

1)テナント管理

 いわゆる営業管理と販促である。
営業規則を守らせたり、不振テナントの指導なども営業管理と言われているが、営業の最大の目的は、テナント退店後の空き店舗対策と賃料改定であり、日頃の営業活動はこのためにあると言ってよい。

2)施設管理

 施設の安全と維持のための管理業務である。多くは警備会社や設備管理会社へ委託される。これに要する費用は共益費でまかなわれる。

3)事務管理

 金銭管理と、委託事務の管理である。特に昨今課題となっているのは、売上金の管理である。預り金の返還事務の人件費と預託手数料が管理会社の経営を悪化させている。

  この中で、営業管理のもっとも重要な仕事は、空き店舗対策であるが、テナントの退店がない限りは、たまに生じる商品バッテングやテナントのクレーム対応、不振店対策に時間を費やしている。組織的にもこのセクションに人員を集約している会社は少ない。

 販促はテナント会の仕事であり、会社は事務局に徹し、企画は広告代理店にまかせ、テナントとの調整が会社の主な仕事であると言っても過言ではないだろう。

 また、テナント教育などもテナント会主催で行っているところもある。

 これが、今までの多くの商業施設がとってきた管理(運営)といわれるものであり、テナントの撤退が続く施設もおそらく同様の管理を行ってきたのではないかと思われる。

こうした管理で商業施設がどうなったのか考えてみよう。

 営業の主体はテナントもしくはテナント会であり、管理会社は、(多くは)オーナーであるにもかかわらず、テナントの言いなりになってしまった。その典型は、テナント補充である。既存テナントとの商品調整から、十分な品揃えができず、せっかく新しいテナントを入れたにもかかわらず、施設全体の魅力付けにならず、挙句は賃料の減額を要求され、結果として、施設全体の競争力を奪うこととなり、お客様にとって魅力のないものとなってしまう。

 販促においても、テナント会や代理店まかせのため販促ノウハウが会社にストックされず、十年一日の如き販促で、お客の支持を失ってゆく。

 これを図示すると

 これでは、いつまでたってもよくならない。近くに新店ができれば必ず負ける。
開店した日がピークで、現状維持がやっとで、後は衰退してゆくのみである。

korio の管理運営

1.管理

  コリオは、大丸ピーコックを除いた香里ピーコック通り商業協同組合(以下組合)で西地区のうちの専門店ゾーンの開発を行う予定で計画を進めて来たが、員外利用や融資の問題もあり、平成20年10月に組合員の共同出資会社として株式会社香里ヶ丘商業用開発(以下会社)を設立、この2者で開発を行った。
  なお、建替え計画が持ち上がった当初は大丸ピーコックも組合員であるため、西地区全体を大丸ピーコックも含めた組合事業で開発予定であったが、担当役員が変わったとたん、大企業のエゴが前面に出てきて共同の開発は無理判断、それぞれが別途に開発をすることとなった。
担当役員が変わると対応が変わるのは困ったもんだが、大企業相手の開発はよくあることと割り切らねば仕方ない。担当が変わると良くなることも期待できる訳だし・・・

(1) 所有形態

 敷地は約2,600㎡を都市機構より定期借地で会社が借り、同条件で機構の同意の上で組合に転貸しているが、実質的には組合会社の共有持分での借地となっている。

 建物はこの敷地上に共有建物として建てられ、組合会社がそれぞれ持分費に応じて所有している

(2) 管理

 管理業務はすべて会社が行っている。組合は、施設管理及び組合事務の一切を会社に委託しているため、実質的には管理及び運営をすべて会社が行っていることになる。
  また、店主会の事務も会社に委託しているため、施設に関するすべての情報が会社に集中し、連絡調整等の煩雑な手続きが不要になりスムーズな意思決定が行われている。

(3) 運営組織

 コリオは、組合の施設を所有・使用している組合員の店舗(9店舗)テナント(1店舗)及び会社の所有部分に入店しているテナント(7店舗)で構成されている。

こうした片方はオーナー、一方はテナントと性格の全く違う入店者で構成されているため、ショッピングモールとしての一体運営に齟齬の出ないような仕組み作りが必要になってきた。

 そこで、組合員の意識改革の意味も含めて、営業者全員で店主会を構成、コリオの営業に関することはすべて店主会で行い、経営に関することはそれぞれの経営主体(組合、会社)で行うこととした。

 これは、組合員にとっては、得てしてオーナーエゴがでやすいところであるが、テナントさんの営業に対する真摯な対応をみて、エゴが押さえられ、営業に対して前向きな対応がとられてきており、結果として非常に良い効果を出している。

 オープンしてから1年経過した今年の冬あたりから、売上げの勢いが以前程ではなくなった店舗が散見されるようになってき、これは店舗にオーナーがいない店に多く見られた。これらの改善策として店長会を立ち上げ、販促活動の主軸をオーナーから店長に移す試みを行った。

 具体的にはセール前に店長会を開き、セールの内容や販促イベント等について意見交換を行い、セール終了後は反省会を行った。結果は覿面で、セール期間中の売上げは10%近い増を達成し、反省会の出席率は100%アンケートも全員が回答する等、楽しみな結果が現れている。

施設の特徴

(1) 施設計画

施設は駐車場を中心に、これを取り囲むように店舗を配置し、後方施設は北東角に集約、事務所や倉庫会議室は2階に配置した。これはいろんなパターンの検討の結果であるが、こうすることによって様々な効果を生み出した。

① ゆったりとした空間が中央に存在することによって非常に開放的な商業施設となった

② すべての店の前面に駐車スペースがあるため、お客さんの移動距離が少なくてすみ、各

店舗の専用駐車場的なイメージを作り出すことができ、結果として店舗の位置の優劣がほとんどなくなった。
また、駐車場をワンウエイにしたため、688㎡で25台、27㎡/台とこの規模では比較的効率の良い駐車場とすることができた。

③ 基本機能がすべて1階に集約できたため、エレベーターやエスカレーターと言った継続的に多くのメンテナンス費用を必要とする設備が不要となった。

④ 従前の馬小屋式店舗配置を踏襲したため、電気、ガス、水道と言ったインフラ機能の直引き込み が可能となり、これらの初期投資が押さえられた。
また、これらのメンテナンスがインフラ事業者の負担で行ってもらえることで、ランニングコストの大幅な低減と請求事務等の管理コストの削減、未収リスクの回避が実現できた。
これらの効果は非常に大きく、電気一つとっても、一括受電用のキュービクルの設置費用だけでも     数百万円、その後のメンテナンス、そして十数年後の老朽化に対する取り替え費用やその際の停電
対応等を考えるとその効果が実感できる。
未収リスクと並んで大きいのが共益の負担である。幸いなことに退店者もなく空き床が出ていないので実感がないが、多くの商業施設が困っているのが空き床ができた場合の共益費の負担である。
これも、オープンモールであり、エレベーターもエスカレーターもないため、かかるのは共用通路のわずかな電気代と清掃費、ゴミ処理費に事務費くらいで店舗面積1坪当1,000円を切っている。

⑤ メインエントランスを開放的な空間にすることに依って、イベント等に活用できるプラザスペースが確保でき、駐車場と併せて、経産省の中小商業活性化支援補助金(中小商業活力向上支援事  業、1/2補助)を受けることができた。そのため、少しだけ贅沢にエントランスの修景に投資する ことができ、イメージアップが図れた。惜しむらくは、当初から駐車場を有料化で計画しておけ  ば、後の投資が軽減できたであろう。

なお、施設1階の休憩スペースやトイレは枚方市の活性化補助金の助成を受けて設置されている。

⑥ デザイン的には、前の通りが枚方八景の一つであるケヤキ並木であり、かつ香里団地と言う住宅街の中の施設であること、また、施設が平屋であるため視認性に劣ることなどから、この並木に調和しながら商業施設であることの主張をどのように表現するかが一番のポイントであった。結果、白と茶を基調とし、ガルバリウムの素材感でアクセントをつけることで、効果的なデザインにまとめることができた。

⑦ 環境共生という点から駐車場は透水性の緑化ブロックを用い、色彩の面からも施設の調和を試みたが、車路部分が、業者任せとしたためにアスファルト舗装となったのは残念である。
しかし、この緑化ブロックの効果は大きく、特に夏期には駐車場特有のムーとするような暑さが随分緩和されているように感じる。メーカーのホームページでは15℃くらいの温度の低下が期待できるとあるが、そこまでの効果はわからないものの温室効果の低減に寄与していることは実感できる。

(2) 施設のコンセプト

店舗は、生活再建を前提とした建替えであるため、多くの制約の中での事業となった。

① まず、通常のショッピングセンター開発だと、商圏分析から顧客ニーズを探り、コンセプトを構 築、店舗構成を考えるわけであるが、こうした多くのデベロッパー型の開発ができない。そのため、従前営業者の業種構成を前提にそれらを補完し集客を図れるためのコンセプトとせざるを得なかったが、結果としてそれが功を奏している。

② 従前施設の賃料が3,000〜5,000円/坪と非常に安く、建替えの同意を得るためにも従後の賃料水準 を早くから設定せざるを得ず、組合員の賃料は共益費と併せて10,000円/坪がmaxとなった。
このため、借地料を薄めるため、より多くの店舗面積が必要となり、かつ、より多くの賃料を払っ てくれるテナントの導入が必要となった。これは組合員を増やせば賃料水準は上がらず、テナント を増やせば員外利用の規定に違反すると言う二律背反する課題を負わせてくれた。

③ また、員外利用の問題が解決したとしても、テナントを増やすためには床が必要になってくる。床を確保するために、多くの商業施設が行っているように2階建てにすると、今度はエレベーターやエスカレーターのメンテナンス費用が必要になり、かつ、2階で組合員よりも高い賃料収入が得られることが必須となってくる。

 

序章(はじめに)

香里が丘コリオの概要

  コリオは都市機構の行う香里団地の建替え事業の一環として建替えられた香里団地センター地区の商業施設である。

  コリオが位置する香里団地は、昭和31年より造成が始まり、昭和37年に事業完了した住宅公団(現都市機構)の団地で、当時は「東洋一のニュータウン」と言われ、団地規模は155.2ha、当時の計画人口は22,000人であった。

  香里団地のセンター地区には、昭和33年大丸ピーコック1号店としてオープンした大丸ピーコック香里が丘店を中心とした商業施設と公共公益施設が集約されて立地したが、団地の老朽化に伴い、平成10年より建替が実施されてきた。

  この建替え事業の一環として、平成21年11月13日に建替えオープンされた商業施設がコリオである

  コリオの位置する香里団地センター西地区は、約6,800㎡の敷地を食品スーパーである大丸ピーコックと専門街であるコリオで分け合って立地している。

  ちなみに、建替え前の施設構成はセンター西地区は大丸ピーコックと香里ピーコック通り商業協同組合加入の専門店17店舗で構成されていた。

  センター地区全体では11番街9店舗、レンガ広場8店舗、公設市場27店舗の計62店舗と、銀行、郵便局、交番、市出張所、公団事務所、集会所他の公共公益施設で構成されていた。

  建替えに際しては、センター地区全体での一体開発も模索されたが、都市機構の機構改革や、景気後退などのあおりを受け、地元商業者の足並みも乱れ、結果としてそれぞれの旧組織ごとに独自の開発を目指すこととなった。

 

今日は七夕

折角の七夕も、残念ながら、雨である

昨日から、コリオのサマーフェアが始まっている。
昨年に続いて、今年も手作りのフェアーである

竹は近所の竹やぶから、蚊にかまれながら切り出し、町内の園児の「願い事」を書いてもらった短冊をみんなで飾り付け
5日の夕刻から店長他プラザに集まって飾り付けを行ったそうだ

土曜日は金魚すくい用の金魚を仕入れに、会長他が大和郡山まで行ってくれるよう

暑くなって、たくさんの人が集まってくれると嬉しい

 

サマーフェアチラシ(表) サマーフェアチラシ(裏)

 

物語の始まりです

  先日、市長が話を聞きたいと振興部長以下5名の随行を伴ってコリオにお越しになられた。

  オープンして、1年半も経過しているのになんだろうと思いながらコリオのあらましを説明させていていだいたが、華々しくオープンしても後が続かない施設が多いので、落ち着いてからの様子に興味をもたれたのだろう。
  開発の苦労と、たった1,000㎡余りの施設に込められている多くの知恵に感心して帰られた。
特に、地元信金に融資をドタキャンされた件には驚かれたようである。最も、この件は常識ある人間なら誰でもあきれ果てるだろうが・・・・

先月は、流通科学大学の石原武政先生もお越しになられた

先生には、3月の販促の反省会の出席率が100%だったことをお話したら、非常に興味を持って頂いて、「開店して1年半以上経って空き店舗もなく、店舗会活動が活発である」ことに驚き、忙しい中わざわざ、香里団地まできて下さった。

  先生のお話をお聞きしていて気がついたのが、最近のショッピングモールは開店してもすぐ空き店舗が出る施設が多々あることだ。コリオも決してすべての店舗が順風満帆と言う訳でもないが、有り難いことに退店者はいない。

コリオオープンまでの苦労、や出席率100%の秘訣も探して行こう

また、長谷川理事長が市長にまで言ってしまった某信金の信じられないような非常識は誰かが書き置くべきことことだろう。

コリオの開発物語と併せ、思いつくままに商業施設に関する話題について書いてみたいと思っている。
理想的には週1回くらいの更新なのだろうが、さて・・・・